OGメッセージ


直木賞作家であり、卒業生である松井 今朝子さんからのメッセージ

中高生の頃はとにかく忙しかったという印象があります。一学年2クラス全員で八十余人しかいなかったので、クラブ活動や生徒会のほかにも体育祭や学院祭等々の行事のたびになんだかんだやらされて、今にして結構それを楽しんでいたように思います。その頃から演劇に興味を持っていたので、学院祭で演出をしたりもしました。想いだしてもおかしいのは、体育が苦手だったにもかかわらず、体育祭のダンスで選曲と振付をしたことで、これは悪友が私を巻き込んだのでした。生徒会の議長を高3までやらされて、受験勉強との折り合いをつけるのが大変でしたが、当時はまだ今よりは世の中ものんびりしていたのでしょう、休日は友だちの家に行ってよく遊んだものです。色んな友だちに興味を持って、子供なりに人間関係を学んだことが、今の仕事には一番役立っているのかもしれません。

実家が南座のそばにあるので、歌舞伎は物心つく前から見て、あまり抵抗なく受け入れていました。化粧や衣裳など見た目で善悪がわかって、どちらかに気持ちを寄せて見られるので、実は意外と子供にもわかりやすい演劇だと思います。魅力はやはり役者でしょうか。だれか好きな役者を見つけることが見続けられる一番のポイントといえるでしょう。たとえば優れた役者の身のこなしを見ていると、自分が将来和装したときの振る舞いをどうすればいいのかのヒントになるかもしれません。あとほかでは絶対見られないキッチュな色彩感覚の衣裳も面白いし、ナマの唄声と和楽器の演奏がふんだんに聴けるという贅沢さがあります。ただし決してひとくくりには出来ないのが歌舞伎の魅力で、大仰な芝居や大げさな身振りがあるかと思えば、とてもリアルな心理を細やかに表現する演目もあって、非常にバラエティに富んでいるのが歌舞伎ですので、きっとその中から自分の嗜好にフィットするものを見つけることができるはずです。





 

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