中学入試に向かう6年生に面接試験の練習をしました。

|

 「校長先生、ええもんあげる。」朝の横断歩道で1年の男の子がわたしの手のひらに小さな手のひらを重ねてきました。冷たい彼の手のなかでモニョモニョ...?と何やら毛むくじゃらの感触。「何だ、こりゃ?」不思議そうに顔を見つめるわたしに、「ねこじゃらし。びっくりした?」ニカっと笑って薄茶色のねこじゃらしの先っぽを見せてくれました。そうかと思うと3年の女の子が、ひろげているわたしの手をぎゅっと握ってきて、「あったかーい。先生なんでこんなにあったかい手してんの?」と毎朝、尋ねてくれます。何年生までこんなふうにしてくれるのかなあなんて考えながら、お父さんになった気分です。朝のちょっとしたふれあいに心は一気にあったまります。

 今週は今日までの3日間、6年生の面接練習をしました。校長室を面接会場にみたてて、3人一組で教頭とふたりで模擬面接をします。待合室での待ち方にはじまり、ノックや入り口での会釈、そして挨拶のしかたなどなど。緊張のあまりかわいそうにガタガタとふるえがとまらない子どももいれば、「失礼しまーす」と何の緊張感もなくて注意しなければならない子どももいます。けれども「そんな礼ではだめ!やり直し!」「声が小さい!相手の目を見て話さなきゃ!もう一回。」と、練習を重ねるうちにだんだんと場に応じた作法が身についてきます。このほか、様々な質問への答え方についてもひとつひとつ「もう一回尋ねるよ。」と練習を重ねます。この練習が少しでも本番の入学試験に役立つと嬉しいです。同時にこの練習は、ふだん、なかなかゆっくりと話せない6年生のひとりひとりとふれあう貴重な機会でもあります。あるグループに「小学校で習った先生で一番印象に残っている先生についてお話してください。」という質問をしたところ、A君が「6年で担任していただいた○○先生です。」とはっきり答えたのには、はっとしました。彼は春先、新しい先生に馴染めないと校長室に来てはこぼしていた子どもでした。練習後そのことを尋ねると、「最初は先生が自分にばかり厳しいと思っていたんだけど、休んだときには必ず大丈夫だよと声をかけてくれたり、しんどいときには手紙をくれて励ましてくれたりして、今ではすごくいい先生だなあと心から思うようになりました。」とのこと。本当に嬉しい報告でした。またひとつ6年生の行事が終わりました。あと4ヶ月。考えると寂しくなります。