大阪聖母女学院中学校・高等学校 元教諭、京都聖母学院小学校・中学校・高等学校 元校長 新井 眞幸 様からのメッセージ

創立100周年、おめでとうございます。
香里園で21年、藤森で9年、児童・生徒・学生の皆さんと共に取り組ませて頂いた30年間は私の大切な宝物です。両キャンパスは京阪電車沿線の二カ所で同じ建学の精神と校訓を大切に継承し育み乍ら姉妹校として歴史を紡いできました。土地柄故もあり両キャンパスは独自の特徴を持ちますが、多くの卒業生と出会ってみてどちらの出身者も醸し出す気品と薫りがそっくりなので感動を覚えます。
創立90周年に記念室を法人本館に造る大役を担った時私は本学院に創立者の銅像がないことに気付きました。見学した他の記念室にはよく創立者の胸像が中心にあったのです。そして創立者レベランドメール・マリー・クロチルドをはじめ7名のシスター方の清貧に徹した生き様に今更のように思い至りました。暖房設備なしのシスター方の日本での冬を案じ母国の修道会から暖房設備の為の送金があった時、自分達の為に費やさず学院建設用に当てたとの逸話を香里園校長時代のSr.下田から伺ったことがあります。当時Sr.方は水道のない部屋で冬も記念室展示のホーローの水差しと洗面器だけで朝の身支度を済まされたとのこと。創立者銅像制作の話があったかどうかは別としてその為の出費などSr.方のお考えには到底なかったものと想像しました。
何でも存分に享受できる現在ですが、本学院教育への情熱と使命が創立者方の自己犠牲に支えられていたことを忘れずに日常に少しでも活かせればと思います。