聖母インターナショナルプリスクール 迫田 薫 園長先生 からのメッセージ

「聖母女学院創立100周年にあたって」

 メール・マリー・クロチルド・リュチニエはじめ7人のシスター方が渡航してこられた船は、写真からいかにもそれとわかる旧式のものです。船の機関、航海に必要な気象観測の機材や航海術等、今とは比較にならない未発達な状況下での遠い日本への船出はよほどの覚悟を要したことでしょう。さらに、シスター方は再び故国の土を踏むことは考えず、家族との永別をも覚悟し、日本の子ども達を平和の天使にするという高邁な使命を胸に旅立たれたに違いありません。その気高いお志、熱いおもいに、ただただ畏敬の念を抱くばかりです。

 そして今、わが身を置くこの聖母女学院の教育の流れが一世紀にもわたる永い間、幾多の内外の情勢の変遷をも凌駕して、ひとときも絶えることなく脈々と続いてきたことを思うと、その輝かしい伝統の継承に努めて来られた先人の方々、お支えくださったすべての方のご尽力に敬意を表するほかはありません。

 聖母インターナショナルプリスクールでは、イエス・キリストが人々に諭されたお教えを保育方針の根幹とし、子ども達が互いに他をわが身のごとくに愛おしみ、いつのときも感謝する心・喜びの心を忘れないという指導に努めています。お教えの具現化に留まらず、私達の為すべきことのすべてにおいて、100年前に聖母女学院を創立された7人のシスター方の献身的な熱い心と、100年もの長きにわたってシスター方のご遺志を引き継いでこられた先人の篤い心を忘れてはならないと、思いを新たにしています。