京都聖母女学院短期大学 元教授 久保 妙子 様からのメッセージ

一人ひとりを大切に

 この度、創立100周年を迎えられることお慶び申し上げます。

 私が入職した頃は、団塊ジュニア世代の18歳人口があふれ、短大に一定の人気がありました。私は住居・インテリア分野を充実させて、2級建築士受験資格を得るコースを設けました。当時の卒業生が今も働いているのを垣間見ると嬉しく思います。しかしご承知のように社会の風潮が四年制大学中心となり、短期大学は幕を閉じました。時代の流れとは言え残念な思いがあったことは否めません。

 その後、聖母とどこか雰囲気の似た甲南女子大学でお世話になり、現在は某企業の役員を務めながら、認知症の母と暮らしています。また縁あって年1回、懐かしいレーモンドの学舎目指して香里園の坂を登っています。何かの折りに聖歌が流れてきたりするとミサや卒業式を思い出します。そしてどのような環境にあっても聖母で培った精神が自分のなかに根付いているのを感じています。

 昨今のSDGsの考え方は、本学院の建学の精神に通じるように思えます。一人ひとりを大切にし、地球の持続を願うことは、既に教育において脈々と受け継がれてきたのではないでしょうか。最後にメッセージを発信させて頂くことに感謝し、聖母女学院の益々の発展をお祈りいたします。