ライフワーク?ライスワーク?

投稿日:2021.10.29

11月は「勤労感謝の日」がありますので「感謝ウィーク」という取り組みをしています。園児が制作したカレンダーを近隣の駅や郵便局、守衛さんなど普段お世話になっている方々に学年ごとで持っていき、「いつもありがとうございます」というご挨拶をします。

やってもらってあたりまえ、という考え方に感謝する心はありません。当たり前の日常は、誰かのはたらきのお陰です。Give & Takeという言葉も、Giveが先にあるように、権利や要求だけでなく、そこで自分がどれだけ貢献できているか、という視点も大切ではないでしょうか。

はたらくとは、誰かの役にたつということ。そのために全力を尽くすということ。「はた」を楽にすること。「はた」という漢字は(側・傍・端)など、いろいろとあります。「傍」や「側」という漢字なら、側(そば)にいるひと・傍(かたわ)らにいる人。「端」という漢字なら、端に追いやられた人、立場の弱い人でしょうか。子どもたちが、近い将来に自分のためだけに働く「ライスワーク」ではなく自分の良さを活かせる、誰かのためになる「ライフワーク」と出合えますように・・




ストレスに反応しやすい脳の作り方

投稿日:2021.09.27

脳科学が注目されるようになり、次々にその機能が明らかになってきました。

脳の動き方の大原則①は「Use it or lose it」と呼ばれる機能です。日本語にすれば、「使わないなら捨てるだけ」というニュアンスでしょうか。

何度も通った道は、脳内に回路ができているので、次は右とかその次は・・・という風に考えなくてもいいからエネルギーを使わなくなります。脳は省エネが基本で無駄なことはできるだけしたくないので、回路がどんどん強化されて習慣や考え方・しぐさなどの思考・行動パターンは、無意識のうちに体が反応していますよね。この無意識が厄介なのであります。

幼少期の脳は非常に柔軟で、良くも悪くも環境から影響を受けやすいので、『生涯にわたる人格形成の基礎を培う』(教育基本法)であったり、世界中で幼児期における非認知能力が重要だと考えられたりしているのです。

次に、脳がストレスを感じた時の反応として「Fight戦う or Flight逃げる」もしくは「Freeze立ち尽くす」が起きるそうです。この法則に従えば、幼少期にきつく怒られる経験をたくさんしている子どもほど「攻撃モード」か「逃避モード」もしくは「思考停止モード」のスイッチが入りやすい。というのが神経科学の見解だそうです。

いつも怒られていたら耐性が付くのではないか、というのは神経科学的には「逆」だそうです。

感情をむき出しにして、暴力まで振るわれるとか、手は出さないにしても「ダメ出し」ばかりを繰り返すような状況に置かれた子どもは、思考できなくなり、善悪の判断もつかなくなっているそうです。

それを知らない大人は「何度言ったらわかるんだ!」とますます強く怒るのですが、激しく怒るほど子どもの頭には残らない、という大人も子どもも不幸な「負のスパイラル」に陥ると言います。

人は誰かからきつく怒鳴られたり叱られたりすると、言われたことはほとんど覚えていない一方で、怒られたという「事実」とその時のショックや恐怖心・怒り・恥ずかしさといった「感情」は強烈に記憶されているといいます。

以上をまとめると、ストレスが起きた時に攻撃モードのスイッチが入っちゃう子どもは、そのような状況に置かれていることが多い可能性があります。そうならないようにするには、子どもを叱る・注意するときの大人の心理状態に関係しているのかもしれません。

勿論、命に関わるような事象や人を傷つける行為を咎める時は別ですが、その最中に言われた言葉は、子どもの頭にほとんど残っていない可能性が高いので、落ち着いた時に改めて説明する必要があるそうです。その時に怒ってすっきり終えてしまいたいという風に思いがちでしたが、そうではないようです。

機械やロボットなら命令した通りに動きますが、大人も子どもも人間は感情の動物といわれる所以ですね。ストレスのない社会なんてありませんから、かける必要のないストレスは排除しつつ、少しずつストレスを与ええてあげることは、子どもも大人も大切なのかもしれません。

 

 

 

 




新ホームページを公開しました

投稿日:2021.09.14

ホームページの調子がたびたび悪くなっては皆様にはご不便をお掛けしておりました。ピンチをチャンスに変えるべく、ホームページ自体をリニューアル&アップデートすることができました。新パンフレットとホームパージのイメージをリンクさせておりますのでパンフレットと一緒に私たちの幼稚園をよりリアルに感じていただければ幸いです。

リニューアルは「一新する」・アップデートは「更新する」という意味で、機械やモノであればどちらの言葉も使うことができますが、私たち人間は現世において生まれ変わって別の人格になるのは簡単なことではありません。しかし「人間」は、アップデートすることが可能です。

若かりし頃少林寺拳法を20年ほど続けていた折に師範から教わった言葉に「歩歩是道場」「百尺竿頭ひゃくしゃくかんとうに一歩を進む」というものがあります。いずれも現状に満足することなく常に精進せよ、という意味だったか?と記憶しています。

私が「アップデート」という言葉が好きな理由は、それらの禅語が脳に刻み込まれているからではなく、落ち着きのない性分で同じところにじっとしているのが苦手だという説や占星学でいう所のエレメントが風の星座であることも関係しているなど諸説あります。

真相はさておき、私たちは「今」時代の大きな変わり目を迎えています。戦前→戦後や江戸→明治に匹敵するような大きな時代の変革期で、社会も教育も大きく変わろうとしています。

2021年で創立70周年を迎えた私たち京都聖母学院幼稚園ですが、皆様のご理解とご協力をいただきながら私たちの幼児教育もアップデートしてまいりたいと考えています。まだまだ完成形とは言えない今の状況を流行りの曲になぞらえれば「のびしろしかないわ」と言えるのかもしれません。

よろしければ皆様とご一緒できれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。