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Light Up NeversのNeversの読み方は?

先週は生徒達が研修旅行に行っておりました。Light Up Nevers 2022の活動は一部生徒だけで全体としてはほぼお休みでした。
さて本番まで残り1ヶ月をきりました。
ここで今更ではありますが、タイトルに含まれるLight Up NeversのNeversについて解説いたします。

 

Neversの読み方について

“Light Up Nevers”という文字を多くの方は初見で、「ネバーズ?」と読まれるかもしれません。“Light Up”自体は英語ですが、“Nevers”は実はフランス語で発音します。
”Nevers“は「ヌヴェール」と読みます。本校の学校名、「香里ヌヴェール学院」の「ヌヴェール」です。

では、なぜフランス語からきているのでしょうか。

 

フランスから来日した7人のマ・メールの存在

創立者 メール・マリー・クロチルド

フランスにあるヌヴェール愛徳及びキリスト教的教育修道会から大阪に学校を開くため、1921年に7人の「メール」が派遣されました。「メール」はフランス語で“Ma mère(マ・メール,私のお母さん)”という意味を持ち、フランスでのシスターの尊称です。(英語ではマザーと言います)
メールたちが故郷を離れ、異国の言葉もわからない日本で、骨を埋める覚悟で活動することは非常に困難だったことと思います。資金もほとんどないなかで、それでもイエス様の教え、そして、マリア様の愛を伝えたいという強い思いを持ち続け、1923年3月、メールたちはついに玉造教会の敷地内に聖母女学院を開校させます。
しかし仮校舎で雨漏りなどもあったことから、創立者のメール・マリー・クロチルド(修道女への最高の尊敬を込めた呼び名でレヴェランド・メールと呼ばれています)は子どもたちのために、仮校舎ではない永住の地を見つけたい、立派な校舎を建てたいという思いを抱きます。そしてそれは10年の時を経て、実現に至るのです。

 

香里園への移転

現在の香里ヌヴェール学院がある土地、自然豊かで閑静な場所、桜並木のあるこの地を紹介され、現地を見たレヴァランド・メールは、フランスの本部へ「この地こそ、神様が聖母のために定められたみ摂理の地です」と連絡し、学院の建設が決まりました。
アントニン・レーモンドによって設計・建設された聖母女学院(現、香里ヌヴェール学院)は1932年に完成し玉造より移転しました。今年でちょうど香里移転90周年となります。
また、戦争という厳しい時代を経て1949年には京都における最初のカトリック学校、京都聖母女学院が開校します。
このように香里ヌヴェール学院(旧聖母女学院)はフランスが原点となっているため、今も校内にフランス語での表記が残っています。校章に刻まれた「OBEISSANCE ET PURETE」という文字もフランス語で、「従順と純潔」という意味があります。

 

聖女ベルナデッタとルルド

ベルナデッタ像

香里ヌヴェール学院にはベルナデッタホール(体育館)ルルドホール(食堂)という名前の建物があります。ベルナデッタは人名で、ルルドは地名です。
ルルド出身である貧しい生活をしていたベルナデッタの元には聖母マリア様が18回会いに来られ、マリア様の言う通り洞窟で地面を掘ると泉が湧き出ました。この泉が有名なルルドの泉です。目の見えない人がこの泉の水を飲み、見えるようになったことから、奇跡の泉と呼ばれるようになりました。
その後ベルナデッタは「貧しい人が人間らしく生きていけるように」という心、そして「愛以外のいかなることにも、決してかかわってはなりません。不幸な人以外のことに、決して関心をもってはなりません」「貧しい人々のうちにキリストを見出し、彼らを愛し、救助の手を差しのべることこそ、あなたたちの心づかいの中心でなければなりません」というドゥラヴェンヌ師の思いから創立されたヌヴェール愛徳修道会の、サン・ジルダール修道院の修道女となりました。ですが持病もあり、35歳の短い生涯を終えます。しかしその遺体は腐らなかったため、サン・ジルダール修道院に安置されました。のちにベルナデッタは聖人として認められました。
このようにベルナデッタルルドヌヴェール愛徳修道会とも深い関わりがあり、私たちは学校施設にその名をいただいているのです。

聖母女学院の歴史については、「マ・メール 海を渡ってきた修道女たち」の本を読んでいただきますと、詳しく書かれています。
心が温かくなるエピソードがありますので是非ご一読ください。
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今も受け継がれる精神

聖母女学院開校から1世紀ほどの年月が経ち、時代も移り変りました。学校教育もその間に変化してきました。しかし、7人のメールたちが故郷を離れても、生涯をかけて大きな愛で育んできた学校、そしてその精神はおよそ1世紀の間、綿々と受け継がれています。
現在ではAIでイラスト描画やファッションモデルまでできてしまう時代が来ようとしています。香里ヌヴェール学院ではそんな激動する社会でも活躍できるようにと、子どもたちへの教育活動にICTなどの技術も取り入れて対応しております。
同時に学校の原点であるフランスのNeversを心に留め、マ・メールたちが実践されたように、平和な世界を築くため人々を愛する平和の天使の育成に力を入れています。
そうした伝統を重んじる学校として、子どもたちを愛をもって育成し、学校の更なる発展を目指したいと考えています。

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