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2020年04月28日

子どもたちの緊急時の心と体の変化について(聖母教育支援センター)

子どもたちの緊急時の心と体の変化について(聖母教育支援センター)

 この度は,新型コロナウイルスの感染拡大防止のために,休業要請や休校措置が取られる中,保護者の皆様におかれましても,大変な日々をお過ごしの方も多くおられることと思います。
テレビでも連日新型コロナウイルス関連の報道がなされ,また自粛要請のために生活が制限される中,大人にとっても様々な不安やストレスがかかることがあるかと思います。
子どもの場合は,一見元気そうに見えても,普段と違う生活の中で,ストレスを感じていることがあります。
このような緊急時には,心と体に様々な変化が起こることがあります。この変化は大人,子ども問わず,誰にでも起こる緊急時に対応する心の働きで,変化が起こること自体はごく自然なことです。よく起こる変化やその対応についてお知らせさせていただきます。お子さまをご家庭で見守っていただく際に,参考にしていただければと思います。

心と体の変化
①心の変化
不安になる  気分が落ち込む  関心ややる気が出なくなる
過敏になる  興奮しやすくなる  

②考え方の変化
注意や集中力が低下する  忘れっぽくなる  否定的に悲観的に考えてしまう
考えがまとまらない  物事が決められない    

③体の変化
お腹の痛み,頭痛,めまいなどを訴える  皮膚や目のかゆみ,アレルギーなどがひどくなる
食欲がなくなったり,食べ過ぎる  睡眠や食事のリズムが崩れる
寝つきが悪くなる  怖い夢を見たり,夜中に目が覚める  
疲れやすかったり,漠然とした体の不調を訴える
トイレが近くなったり,おねしょをする

④行動の変化
大人にくっついたり,甘えてくる  スキンシップを求めてくる  一人になることを嫌がる
幼い言葉を使ったり,指しゃぶりなどの赤ちゃん返りをする  
寝ることや着替えることなど一人でできていたことがでできなくなり,大人にやってほしいと頼むようになる
そわそわして落ち着かない  表情に乏しくボーっとしている  
すぐに泣いたり怒ったりすることが増える  わがままになる  ぐずることが増える  
反攻的になる  言葉がきつくなる  いつも以上にこだわりが強くなる  パニックになりやすくなる
新型コロナウイルスについてのことを繰り返し話したり,関係した遊びをする
以上のような変化が起こることは,ごく自然なことです。
また,子どもたちの場合,「受け止めてくれる大人がいる」「安心できる環境」であるからこそ,様々な変化を表現できているのだと思います。
このような変化は時間とともにおさまっていくことが多いですが,周囲の人たちがあたたかく受け止め,接してあげることが,変化がおさまっていく助けとなります。

対応について
*色々な変化を自然なものと受け止め,安心感を与えるようにあたたかく接してあげることが大切です。

*話をしてくるときには,まずは話をゆっくり聞きましょう。
・否定せずに話を聞いてもらえることで気持ちを受け止めてもらえると感じることができます。
・間違った考えや,質問をしてくる時には,子どものわかる言葉で説明をしてあげましょう。
・新型コロナウイルスに関する正しい知識や自分でできる予防法を教えることも安心につながります。

*食事,睡眠などのリズムをできるだけ崩さないようにしましょう。
・「いつも通り過ごせること」は安心につながります。
・普段している楽しみやルーティンもできる範囲でしましょう。
・ストレッチなど体を動かすことや,リラックスできる時間を取り入れることがストレスの軽減に役立ちます。

*子どもに出来事に関連した映像に触れさせることを控えましょう。
・テレビ報道の映像や情報に繰り返し触れることで緊張や不安が高まることがあります。
・特に子どもは影響を受けやすいため,映像を繰り返し見ることを控えることも大切です。
・年齢が上がると,ネットなどで情報を集めることができるため,情報については「いつ」「だれが」発信したものなのかに注意を払うなど,情報の取り方についても気を付けましょう。

*赤ちゃん返り,甘えてくる,わがままを言う,反抗してくるなどいつもと違う様子についても,その子なりの表現と捉え,できるだけあたたかく受け止めてあげましょう 。
・年齢に関わらず一人になるのを嫌がったり、普段よりも甘えてくることがあります。できる範囲で,大人と一緒に過ごせる時間をもったり,スキンシップを取ることも安心につながります。

*ストレスを抱えていても,それを表現できない子どももいます。普段よりもいい子にしていたり,頑張っている子どもも無理をしていないか様子を見てあげてください。

これらの心と体の変化は時間の経過とともにおさまってくることがほとんどですが,普段と違う様子が長引く場合や,変化が大きい場合は,学校を通じてご相談いただければと思います。

保護者の皆様におかれましても,普段と違う生活の中,様々なご負担がかかっておられることと思います。どうぞご自身の体調にも留意してお過ごしください。