校長ブログ
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2025年12月8日
「秋は夕暮れ」
すっかり陽が落ちるのが早くなりました。「秋の夕日は釣瓶落とし」と言われるとおり、「あっという間」に陽は沈みます。しかし、晴れた秋の夕刻、その「あっという間」に本校の桜並木から見る夕日は見入ってしまうほどきれいです。プチパに来ている児童は見る機会があるかもしれませんが、通常下校している児童は6年間で一度も見ることなく卒業するのはもったいない気もします。ほんの少し前とは違った色合いを稜線に醸し出してくれる光景はまさに芸術品です。きっと、平安時代に清少納言が洛中でなくこの地で枕草子を書いていても、「秋は夕暮れ」と書いたことでしょう。
ちなみに、清少納言が現代の作家で住まいが御所界隈なら、残りの季節は「春はあけぼの」、「夏は夜」、「冬はつとめて」となったでしょうか。御所から東山連峰は距離も近く、6年生が遠足で行く大文字山の「大」の文字もはっきり見えます。稜線を白から朱色に染めながら徐々に上る朝日はきっと現代でも「春はあけぼの」間違いなしだと思います。
さて、夏はどうでしょう。旧暦と新暦の違いはありますが、平安時代のように蛍も飛んでいない、夜になっても暑くて寝られない現代なら「夏は夜」にはならないでしょう。せめて、一日で気温が一番低くなる夜明け前、すなわち「夏はつとめて」か「夏はエアコン効いた部屋でビールがいとおかし」かもしれません。
最後に、「冬はつとめて」ですが、夜明け前の気温が一番下がる時間帯を好むことは現代ではないと思われます。ちょうど初冬の今なら、風も穏やかで平年より気温が高くなる「初冬は小春日和」だと私も「いとおかし」です。