校長ブログ

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2025年07月17日

30年前のA君の話です

 昨日は午後の一時期に大変などしゃ降りになり、個人懇談でお越しの保護者の皆さまも大変だったかと思います。また今日は朝からきつい雨。傘をさしていてもびしょ濡れになりながら子どもたちは登校してきました。2年生の教室をのぞくと、夏休みの計画表を先生と一緒に作っていました。夏休みももうすぐです。

さて昨日のブログで、日米の大学生の学習時間の比較の話をしました。それに関連して、ふと昔6年生で担任したA君を思い出しました。彼は私立中学校の受験には興味が無い子どもでしたが、涙もろい優しい男の子でした。公立中学校に進学したのですが、家の仕事の関係で1か月だけ、イギリスにホームステイに行くことになったとお母さんから電話を戴きました。「まあ、1か月ももたずに泣いて帰ってくるのとちがいますか。」電話の向こうでお母さんも笑っておられました。ところがその予想を見事に裏切り、彼はそれ以来イギリスで大学まで進学。現地のデザインの会社に就職しました。今もずっとイギリス住まいをしています。彼が大学時代、帰国した際に「日本の大学生は羨ましいな。あんなに遊んでいられるから。でも不思議なのはイギリスの大学に通っています、と日本で言うと、すぐにオックスフォード?ケンブリッジ?と聞かれます。けれど自分のやりたい学問はそういった大学には無くて、目指している将来のデザインの仕事にも繋がらないのです。自分が選んだ大学は、日本では勿論無名の小さな大学ですが、自分で選んで進学しました。」と話していたのを思い出します。もう30年も前の話です。クラスで一番の泣き虫だった子どもが、自分の未来と紐づけて進路選択した話です。参考になれば、と思います。