校長ブログ

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2023年06月23日

「ものを大切に 次の世代に残そう」登録有形文化財

全校朝礼で、シスター ジェルトルード・チンメルマンスの話をしました。

創立100周年なので、創立記念日を祝う6月の全校朝礼は特にシスターの話をするようにしています。

1932年に、シスター ジェルトルードはこの香里にやってきました。日本人に神様のことを伝えたいと考え、ヌヴェール愛徳修道会の総長様に「是非、私を日本へ行かせてください」とお願いしてやってきたのです。片足が不自由だったシスターは、ほかのシスターと同じような役割を果たすことはできません。そこでシスターは、日本にくると「自分にできることは何だろう?」と学校の周りを見渡しました。この当時、聖母女学院は、大阪の玉造から香里へ移転したばかりでした。学校の建物は完成していましたが、床や廊下は、荒削りのままで磨きお掃除する必要がありました。早くきれいに磨いて子どもたちに安心して使ってもらいたくても、他のシスターは仕事がいっぱいでなかなかここまで手が回らなかったそうです。そこで、シスターは、「これだわ! 少々足が悪くても、お掃除なら絶対誰にも負けない」「教室や廊下がきれいになれば、子どもたちもきっと喜ぶでしょうね」効率的に掃除ができるように、最初にシスターは自分で掃除道具を作りました。シスターは、片足を引きずりながらゴシゴシ ゴシゴシと1部屋ずつ磨きあげていきました。たったひとりで何時間もかけて、長くて重い修道服を身に着けたままでしたから、さぞや重労働だったに違いありません。それでもシスターは、自分にできることを一生懸命やることが神様の思し召しだと思い、いっさい弱音をはきませんでした。半月もたつと、どの部屋もピッカピカになりました。まるで鏡のようにきれいに磨きあげられたそうです。この後、子どもたちと先生も毎日教室をきれいに使い続けたそうです。シスターが磨いてくださった床を。

私たちの学校には、掃除の時間があります。3年間ほど、コロナ対策でお掃除の仕方に制限がありましたが、今はありません。お掃除をしっかり頑張って、教室をいつもきれいにしてください。ヌヴェールの学校が文化庁に「登録有形文化財」(この建造物は貴重な国民的財産です)に指定されています。ここに通っていた子どもたちが、丁寧に建物を使い、物を大切にし、お掃除も頑張ったから今も残っているのです。みなさんも、自分たちの学校の教室、物を大切にしてください。次の日の朝、気持ちよく1日の学校生活が始められるように、教室をきれいにして帰ってくださいね。自分が今使っている教室を、来年使う人が気持ちよく使えるようにしましょうね。